信州は太古の昔から畜産の盛んな国でした。清流と山稜に仕切られた大地には古代朝廷の直轄牧場が置かれ、官牧三十二牧のうち実に十六枚が信州にあったといわれています。やがてその大地には桑や稲とともにりんごが豊かに実るようになりました。
このりんごを食べさせると良い牛が育つことは昔から奥信濃では広く知られていました。その伝統を優れた技術によって現代によみがえらせたのが「りんご和牛信州牛」なのです。
厳選した和牛を特製のりんご入り発酵飼料を主として丹念に育てたりんご和牛信州牛は良質の霜降りぐあい、キレのある味わい、独特の芳香と素晴らしい色合いを兼ね揃えています。
りんご和牛信州牛の美味しさの秘密
りんご和牛信州牛は風味があって柔らかく、とても美味しいと高いご支持をいただいております。
なぜりんご和牛信州牛は美味しいのでしょうか?
- りんごで育ったりんご和牛信州牛
- 牛肉の味を決めるもっとも大きな要素はその「飼料」にあります。
牛にりんごを食べさせると食い詰まりや尿道結石などを防ぎ、牛の健康を保つことがあることは奥信濃では昔から広く知られていました。りんご和牛信州牛にはこの伝統を活かした特製の「りんご入り発酵飼料」が与えられています。
信州はりんごの他にも様々な農産物に恵まれ、食品製造業も盛んな土地柄です。りんごジュースの搾り滓をはじめ、おから、トマト滓、酒粕、ワイン滓、味噌大豆の煮汁など食品の副産物に恵まれています。
- 飼料の違いがりんご和牛信州牛の旨みを引き立たせる
- りんご和牛信州牛は一般の配合飼料のほかに、これらの未利用資源を微生物の利用によって人為的に発酵させた飼料を与えています。
この特製飼料は信州りんごの産地である中野市にある農事法人中野固形粗飼料にて生産され株式会社グリーンフードから生産農家に供給されています。
このりんご入り発酵飼料を食べて育った牛の大きな特徴は霜降りぐあいはもちろん、白く粘りのある独特の脂肪の良さになります。この飼料の違いがりんご和牛信州牛の旨みを引き立たせるのです。
肉牛生産に賭ける熱き想い。信州牛生産販売協議会
昭和30年代、中野市に産地の食肉加工メーカーとして大信畜産工業株式会社が設立されるとこれを中心として奥信濃の生産農家が集まり、研究と親睦を募り生産者自身の研究会を作りました。これが現在の「信州牛生産販売協議会」のルーツです。
信州牛生産販売協議会は生産部門を受け持つ生産部会と、それを支える販売部会の販売店と成り立っています。数多くの優秀な生産農家が研究会などを通じ肥育技術の向上を目指しています。生産農家と質の高いサービスを提供できる食肉小売店や飲食店が一体となって、飼料供給、生産、加工、流通、販売をひとつにつなぐ美味しい牛肉づくりのネットワークを形成し、りんご和牛信州牛の振興と普及を促進しています。
- 信州牛共進会を開催
- また、信州牛生産販売協議会では昭和63年より毎年1回、県の各機関などとともに牛の飼育技術審査を目的とした信州牛共進会を開催しております。この審査会で優秀と認められた牛には「長野県知事賞」が贈られています。
信州牛共進会とともに毎年2回信州見本市も行われ、徹底した管理のもと、長野県内はもちろん県外にも多くのりんご和牛信州牛をお届けしています。
高い品質と安全性の追求
りんご和牛信州牛は特製のリンゴ入り発酵飼料の使用はもちろん、肥育方法についても飼養管理マニュアルに準拠することを求めています。信州牛生産販売協議会ではその内容を記録・管理しております。さらに、安全で健康的な牛肉づくりという観点から抗生物質などの使用は禁止されています。
信州牛生産販売協議会では素牛の導入先、肥育期間の給餌飼料、治療投薬などの記録を管理し、安全で安心できるりんご和牛信州牛を生産しています。