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りんご和牛信州牛の魅力

料理する人

焼肉 海州
呉 敏郎

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りんご和牛信州牛一頭買いの店

長野県のグルメ誌やガイドブックに幾度も登場する「焼肉 海州」。
りんご和牛信州牛一頭買いの店として名高いこの店は、信州牛が今のように注目を集めてる以前から一頭買いにこだわり、良質な肉をリーズナブルな値段で提供し続けています。

店主の呉さんがりんご和牛信州牛の一頭買いを始めたのは今から8年ほど前。せっかくの優れたりんご和牛信州牛が生産地ではほとんど消費されることなく、関西や東京などの県外に流通していた状況の中、「焼き肉屋を営むのなら、地元の優れた肉を地元の方に食べていただきたい」という思いからりんご和牛信州牛の扱いを始められたそうです。
県内で今ほど信州牛が流通していない当時、一個人店がりんご和牛信州牛を取り扱うのは難しいことでした。そこで生まれたのが「一頭買い」という購入法。お店にとっても支出が大きく、手間やコスト面を考えるとチャレンジなことではありますが「地元の良質な肉を地元の方に」という思いを実現するために呉さんはその道を歩き始めたそうです。
そんな長野県の焼き肉屋における、りんご和牛信州牛のフロンティアでもある同店を取材させていただきました。

りんご和牛信州牛の旨さをすべて引き出したい

店主の呉さん自ら七輪・備長炭で焼いていただいたりんご和牛信州牛は、最初の一口で脂の甘みが口の中いっぱに広がります。それなのに少しもくどさが残らず、肉の旨みが堪能できるのは最上級のりんご和牛信州牛だからこそ。
「京都に行くと、りんご和牛信州牛は高い評価を得ています。自分もりんご和牛信州牛は素晴らしい肉だと思う。だからこそ、生産地である信州の方にももっとその価値を伝えたいと思いますね」と呉さん。

「肉を上手に焼くコツは最初に焦げ目が付くくらい焼いて、裏は控えめ。表七分に裏三分ですよ」と教えていただきながら、もう一枚。七輪・備長炭で焼くことで、りんご和牛信州牛の旨み・甘み・香ばしさが混然一体となって味あうことができ、ご飯が欲しくてたまらなくなります。日本人が「旨い!」と思う肉は、必然的にご飯が食べたくなるのだなあと実感。

また、肉の味を損なわず、旨みを引き立てる爽やかな着けダレも見事。お聞きするとタレも自家製で、醤油・日本酒・ワイン・砂糖・りんご・レモンなどをミックスして作り上げているそう。「良い肉はその味わいを邪魔しないように、あっさりめのタレで食べた方がよいと思います。塩で召し上がっていただくのもいいですね」と呉さん。
「焼肉 海州」では焼き肉に欠かせないキムチやナムルはもちろん、タレ、コチジャンなどの調味料やドレッシングも自家製なのだそうです。

「一頭買いの分、コスト削減だよ」と笑う呉さんですが、味わうもの一つひとつが、りんご和牛信州牛を堪能するために作られているのだと一口ごとに実感。焼き方やタレ、サイドメニュー、すべては最良のりんご和牛信州牛を美味しく食べていただくためにという呉さんの気持ちがどの皿からも伝わってきます。

りんご和牛信州牛の焼き肉店としてフロンティアであること

「一頭買いってね、手間がかかるんですよ」と笑いながら呉さんはおっしゃいます。
通常のお店だとキログラム単位で肉を購入し、お客様に提供できるように切り分けていく作業なのですが、一頭買いはまず焼き肉として使える部位を切り分けていかなくてはなりません。手間をコストとして考えると、やはりお店の負担としては大きいそう。それでもなぜ一頭買いを続けているのでしょう?とお聞きすると「それはやっぱり、良い肉を安くお客様に提供できるからですよ」と呉さん。「自分が手間をかけた分を考えなければ、その分、同じご料金でもより良いお肉をお出しできるじゃないですか」

確かに「焼肉 海州」では、最上位であるA5ランクのりんご和牛信州牛にこだわって一頭買いをされています。一頭買いだからこその希少部位、特選部位を提供できることも大きな特長ですが、呉さんには「良いものをより安くお客様へ」という信念が根底にあるように見えます。
一頭分の牛肉では焼き肉に向かない部位もあるので、ランチやハンバーグ、カレーなどのメニューに活かすなどして全体のコストをならし、地元の人が気軽に美味しいりんご和牛信州牛を楽しめるように努められています。

りんご和牛信州牛を始められて8年。今では地元の方はもちろん、観光客にも「あのお店で食べてみたい」と注目のお店になった焼肉 海州。それでも呉さんのハートには「りんご和牛信州牛の焼き肉店としてフロンティアであること」の自負と矜持が今もあり続けているのです。



焼肉 海州
住所:長野県松本市南松本1-3-10
電話:0263-29-3939
ホームページ:http://www.kaishu.info/

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